ブックタイトル東北大学概要2014
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東北大学概要2014
■総長挨拶はじめに東北大学は、1907年(明治40年)の建学以来、一世紀以上の歴史を有する総合大学として、「研究第一」、「門戸開放」、「実学尊重」の理念を掲げて優れた人材を輩出し、数多くの研究成果を世に送り出してきました。現在、私達は東日本大震災での被災経験をはじめ、産業収益力の低下や少子高齢化、グローバリゼーションに伴う国際競争の激化、地球規模の環境問題など、多くの課題に直面しています。このようなグローバルでかつ混沌とした状況の中、大学の知に、東北大学に何が求められているでしょうか。私は「ワールドクラスへの飛躍」と「復興・新生の先導」をキーワードと考え、総長就任時の目標として掲げました。『ワールドクラスへの飛躍』『ワールドクラスへの飛躍』とは、学術基盤を豊かにし、教育研究レベルの一層の向上を図ることにより、グローバル社会を牽引する卓越した教育・研究を行う、世界から尊敬される大学になることを意味します。今年は懸案であった教育・研究面での改革を実行する年となります。教育面では、今後ますます進行する国際化を見据え、世界を舞台に活躍し社会にイノベーションをもたらす人材を育成するため、基盤となる教養教育の充実を図ります。研究面では高等研究機構を設置するとともに、知のフォーラム事業を促進します。本学の強い分野は更に強くして世界の最先端の成果を上げられるようにすると同時に、弱い分野はその弱点を明らかにして、強くなるために大胆に変化させられるような仕組みを作っていきます。また、世界の一流研究者を招聘し本学に滞在していただき、最先端の研究者との有意義なディスカッションの場を学内外へ提供します。異なる分野の研究者が自由に討議することにより、本学発の先駆的研究領域の創生を目指すとともに、将来のグローバルリーダーを養成します。『復興・新生の先導』『復興・新生の先導』の役割を果たすべく、災害復興新生研究機構のもと8つのプロジェクトや100を超えるアクションプランを引き続き推進します。東日本大震災から3年余が過ぎた今、目に見える形での成果を出し、社会へ還元していかねばなりません。来年3月には、国連主催の「第3回国連防災世界会議」が仙台で開催されます。東日本大震災の被災地である仙台でこの会議が開催されることは、被災地の復興や防災を世界に発信することにより国際貢献を行う極めて重要な機会になると受け止め、東北大学も災害科学国際研究所を中心に多くの研究者が参画いたします。これからの東北大学~『東北大学グローバルビジョン』この2つの目標を達成する具体的な道筋を明らかにするために、本年5月に『東北大学グローバルビジョン』を公表しました。これは、全学的観点から策定し、昨年公表した「里見ビジョン」、そして、それに連動する「部局ビジョン」の二部構成になっています。本学を構成する高度で多様性に富む諸組織の力を結集し、大学全体として将来へ向けた取り組むべき課題を社会に提示することで、大学改革の主体的実行及び大学の機能強化を一層推進していきます。東北大学は、時代を先取りして未来を創造し、歴史に自らを位置付けることができる存在であると信じます。東北大学が果たすべき使命、取り組むべき活動を皆様にご理解いただきながら平和で公正な人類社会の発展に貢献していく所存です。2014年6月東北大学総長里見進03 TOHOKU UNIVERSITY