ブックタイトル東北大学グローバルビジョン

概要

東北大学グローバルビジョン

文学研究科・文学部【部局のミッション（基本理念・使命）】○文学研究科・文学部は、人文社会科学を構成する25の専門分野の研究を通じて人類文化の知的遺産を確実に継承する世界最高水準の研究を創造するとともに、その創造的発展に積極的に寄与しうる研究者及び高度な専門的職業人を育成し、かつ幅広い教養と専門知識を柔軟に活用できる指導的人材を育成して社会に輩出します。【機能強化に向けた取組方針（～2 0 1 7年度）】○私たちは、人類文化の知的遺産を確実に継承する世界最高水準の研究を創造するという基本理念を更に継承・発展させるため、国際的な研究拠点の体制を整備し、学際的・先端的共同研究を推進して研究教育の更なる展開を図るとともに、広く学問の基盤となる基礎研究と、現代社会からの要請に応えた新たな学問分野の創出を目指して、人文社会科学からの“人間追究”を先端的かつ多面的に実施します。○私たちは、「ワールドクラスへの飛躍」に不可欠な国際的研究拠点としての環境整備と、そうした創造的研究に寄与しうる研究者育成のための教育支援体制の確立に取り組むとともに、我が国有数の人文社会科学研究の拠点である伝統を踏まえて、学内・学外の研究者との学際的協働を目指しながら、研究成果の国際的発信を強力に推進します。【重点戦略・展開施策】1.教育のグローバル化の推進学生の外国語能力向上と海外留学促進に取り組み、学部生についてはグローバル人材育成推進事業における目標値（卒業生数に対する外国語力スタンダード達成者と留学経験者の比率、15.5%）の実現を目指します。リーディングプログラム、大学間・部局間の学術交流プログラム等を活用し、交換留学を含む3ヶ月以上の留学派遣数及び研究生・大学院生としての受入れ留学生の数が5年間で20%増となるよう、留学生支援の拡充や対外アピールに取り組みます。大学間・部局間交流協定校とのダブルディグリー制度の導入を検討し、大学院定員充足率の向上及び大学院教育の質的拡充を目指します。2.人文社会科学をイノベートする分野横断型の新たな学問の創出2010年度以来、教員相互の最新知見を相互に批評し合う「メレンダ・セミナー」を開設して情報交換を行っています。「空間史学研究会」という若手研究者による学際的共同プロジェクトもスタートしています。10年前から活動していた「Well-being研究プロジェクト」は、震災後に「3.11以後のWell-being研究プロジェクト」として現代社会における人間・社会・科学のあるべき姿を模索する研究に着手しました。こうした分野横断型研究プロジェクトが科研費の基盤（S）や（A）を獲得できるよう最大限の支援を行います。3.知的資源の社会への還元蓄積してきた知的資源については、著書、論文、公開講座やシンポジウムでの講演等を通じて一般社会に広く提供してきました。これらの数を10%程度増やすことによって、社会的貢献度を高めます。メディアのより積極的な活用等を行うことで広報にも力を入れます。こうした発信を通して「社会人の学び直し」事業にも貢献していきます。4.効果的コミュニケーションのための統合的言語研究世界水準のコーパス言語学や言語認知脳科学、東北大学方言研究センターを擁する方言学、多文化対応の人材育成で成果を上げている日本語教育学など、幅広い言語科学的研究を行っています。これらを協働しその成果を統合することにより、効果的コミュニケーションが持つ機能的・構造的特性を明らかにし、言語研究の観点から社会的問題解決に資する視座を提供します。5.「臨床宗教師」養成プログラムの開発と社会実装2012年度に研究科内に設置された「実践宗教学寄附講座」では、我が国特有の宗教事情に起因する宗教的ケアの閉鎖性を打破し、その潜在的な社会的機能を実現すべく、超宗派的な立場から宗教的ケアを実践する高度専門職業人（「臨床宗教師」）の養成を全国の大学に先駆けて開始し、宗教界・医療界・マスコミなどから大きな期待と注目を集めてきました。2015年度以降も寄附講座が存続できるように寄附金の確保を目指すとともに、講座活動を社会的により活発に発信することによって、全国の医療・介護施設をはじめ、宗教的支援を求める人たちに広く援助できるよう臨床宗教師の社会的実装を進めます。18