ブックタイトル東北大学グローバルビジョン

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概要

東北大学グローバルビジョン

電子光理学研究センター【部局のミッション(基本理念・使命)】○電子光理学研究センターは、電子加速器から得られる様々なエネルギーの電子・光子ビームを主要な手段として、原子核物理学、加速器科学、物質科学等の物質諸階層の基礎と応用の研究を推進し、並びに新たな電子光ビームの開発を通じて、未踏研究分野の開拓及び新研究領域の創造を目指すとともに、電子光科学諸分野における研究者、技術者等の養成を行います。【機能強化に向けた取組方針(~2 0 1 7年度)】○私たちは、電子光理学研究拠点として、研究者コミュニティの意向を踏まえた加速器の全国共同利用・共同研究体制の充実を図り、大学附置加速器の特徴及び利点を活かした共同研究を推進します。○私たちは、国際的研究拠点への飛躍に不可欠な受入れ環境整備と支援体制の確立に取り組みます。【重点戦略・展開施策】1.光子ビームによるクォーク核物理(重点推進研究)「拠点間連携」という新たな研究推進体制を構築し、効率的かつ開拓的共同研究を推進します。1,320本のBGO単結晶で構成されるBGOeggは、1GeV領域で世界最高のエネルギー分解能を持つ4π電磁カロリメータであり、電子光理学研究拠点の基幹検出器です。サブアトミック科学研究拠点(大阪大学核物理研究センター)がSPring-8で運用するLEPS/LEPS2は、世界でただ1つの100%偏極のGeV領域光子ビームを提供します。これらを連結することで世界に類のない装置をSPring-8に建設し、この分野の研究を牽引します。大規模技術開発や効率的な人員配置、国際協力、技術・人員の共有・蓄積・継続等の観点から単独の拠点ができることを大きく上回る研究環境を創出します。2.電子散乱による短寿命不安定核の核構造解明(重点推進研究)独立行政法人理化学研究所との連携研究により、蓄積電子ビームによる不安定核の構造研究を可能にする革新的な実験技術を発明しました。従来不可能と考えられてきた電子散乱という実験手法による不安定核の内部構造解明を可能にするもので、世界的に大きな注目を集めています。電子散乱は原子核構造解明に最も強力な実験手法ですが、生成が困難で短寿命で崩壊してしまう不安定核への適応はあまりにも困難で前例がありません。世界初の不安定核電子散乱実現を目指します。3.超高輝度コヒーレント光源開拓研究(重点推進研究)研究用小型線形加速器では、従来と異なる独自の電子ビームパルス圧縮法を用いて、約50フェムト秒の超短パルスを生成します。この電子パルスの形状因子を保存したまま周回する特殊なビーム光学のアイソクロナスリングから放出されるコヒーレント放射光は極めて高い平均出力を与えます。テラヘルツ帯周波数領域に共鳴するアンジュレータを用いて、ここから放たれるコヒーレント放射光を光共振器に閉じ込め、光サイクル数を意図的に変えることができる新奇な自由電子レーザーを開発します。この高強度コヒーレント放射光は、生命科学に貢献する高分子分光や放射性物質の壊変消滅に必須の光反応同位体分離に大きく寄与します。4.加速器共同利用研究GeV電子光ビームから創られる陽電子ビームは、エネルギー分解能がよく、ビームのエネルギー範囲やビーム強度が検出器のテストに最適であるため、原子核・素粒子実験の研究者のみならず、宇宙線から物性物理など広い範囲の分野の研究者に利用されています。また、大電流の低エネルギー電子ビームより生成される大強度MeV電子光ビームは、放射化学や生物の研究に利用されています。これらの特徴を有する電子光ビームを用いた加速器共同利用研究を推進すると共に、加速器を用いた大学院生教育の場を提供します。5.研究拠点としての研究環境整備共同研究者、客員研究者、国外研究者のための研究室スペースを確保し、小規模の国際ワークショップなどに使えるカンファレンスルーム(100席)を新設します。48