ブックタイトル東北大学グローバルビジョン

概要

東北大学グローバルビジョン

ニュートリノ科学研究センター【部局のミッション（基本理念・使命）】○ニュートリノ科学研究センターは、広義のニュートリノ科学研究を展開し、科学の発展に貢献するとともに、その研究環境を活かして専門的な知識を持ち国際的に指導的立場で活躍する人材を養成することを理念とします。【機能強化に向けた取組方針（～2 0 1 7年度）】○私たちは、広義のニュートリノ科学の発展に貢献するという部局の基本理念を更に継承・発展させるため、観測装置の先端的な機能を維持し競争力を一段と高めるとともに、優秀な研究者を引きつける魅力的な研究を展開し、世界的な拠点として広義のニュートリノ科学の発展を目指します。○私たちは、世界的な研究・教育拠点としての役割を継続的に担っていくため、独自性の高い最先端の研究環境を整備し、そこでの経験を通して国際的に指導的立場で活躍する人材を育成できるよう、学内・学外との協同研究を支援し、充実した教育環境の整備に取り組みます。【重点戦略・展開施策】1.極低放射能環境の高度化世界最大の液体シンチレータを有し極低放射能環境を実現しているカムランドを健全な状態に維持し、汎用性を高めます。世界最先端の極低放射能環境の更なる高度化のために、地下でのスクリーニング環境を整備し、地下施設のクリーン化を推進します。さらに故障した光センサー・電子回路の交換･更新、極低放射能科学推進のためのクレーン等の施設整備を実施します。2.二重ベータ崩壊研究の推進極低放射能環境を活かしたニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊探索において、引き続き世界をリードし、宇宙・素粒子の謎を究明するために、カムランド高性能化のための大型予算獲得を目指します。また、東京大学・大阪大学・神戸大学などが推進する神岡地下実験群との連携を深め、極低放射能技術の共有・装置共用・人材交流を高めることで、地下素粒子原子核研究コミュニティを構築し、長期的視野での戦略的な研究遂行により、世界をリードする宇宙・素粒子研究を効率的・効果的に推進します。3.ニュートリノ地球物理の展開学際分野も含めた基礎的かつ新規性の高い研究目標を設定し、それを実現する独創的かつ競争力の高い研究環境を実現します。東京大学地震研究所との部局間協定の下、素粒子及び地球物理の分野間で広く連携して、ニュートリノ科学研究センターが開拓したニュートリノ地球物理、更には素粒子地球物理を推進し、世界的なネットワークに展開します。4.極低放射能科学の展開装置の汎用性を活かし、暗黒物質の直接探索や第4世代ニュートリノ探索など、革新的な極低放射能科学研究を展開します。重量物設置のための設備の構築や、ニュートリノ線源・ニュートリノ発生装置受入れのための整備を行い、幅広い国際協同研究を実施します。5.革新的技術の育成最先端観測装置、高速信号処理回路、極低放射能環境、大規模データ処理技術の開発を通して産業のイノベーションに寄与します。極低放射能科学を推進する実験装置の性能を飛躍的に高める、高量子効率光センサー、高感度撮像装置、高速デッドタイムフリー電子回路、発光フィルムの開発など革新的な技術開発を支援し、長期的な視野で世界をリードする研究を育てます。6.国際的な研究・教育環境の充実優秀な研究者を引きつける最先端の国際協同研究の下、海外からの研究者や学生を長期間受け入れ、大学院生が国際的な環境で研究する機会を充実させます。また、英語が堪能な事務員を配置し、海外からの研究者が快適に研究できる環境を提供します。特に、茂住実験室・地下実験室における快適な研究・生活環境を構築します。ニュートリノ観測データ処理のための先進的な広帯域･高並列計算機システムを構築し、研究基盤をなすとともに人材育成に活用します。49