ブックタイトル東北大学環境報告書2014

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概要

東北大学環境報告書2014

環境●トピックス東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト環境エネルギープロジェクト環境●トピックス東日本大震災の津波による原子力発電所事故、火力発電所ネルギー技術の研究開発を促進します。停止等により、東北地方さらには我が国のエネルギー供給体制本プロジェクトは、新たな次世代エネルギーとそのエネルは大きく揺らぎました。災害時におけるエネルギーセキュリティギー管理システムを日本の社会に浸透させ東北復興を牽引すの視点が、まちづくりや産業振興の観点からクローズアップさるため、参画する大学と地方自治体がコンソーシアムを組み、れ、被災自治体の復興計画の中にも、クリーンエネルギーによ実証も含め具体的に復興に寄与することを目指しています。るエコタウン構想が盛り込まれています。今後は、新しいクリー東北大学を研究中核拠点に、大学及び関係自治体の連携にンエネルギーの開発、エネルギーの安定供給・省力化のためのよる東北復興次世代エネルギー研究開発コンソーシアムを形エネルギー管理システムの構築が不可欠です。東北地方の復興成し、3つの研究課題に取り組んでいます。と我が国のエネルギー問題の克服に貢献するため、クリーンエ課題1:三陸沿岸へ導入可能な波力等の海洋再生可能エネルギーの研究開発課題2:微細藻類のエネルギー利用に関する研究開発課題3:再生可能エネルギーを中心とし、人・車等のモビリティ(移動体)の視点を加えた都市の総合的なエネルギー管理システムの構築のための研究開発課題3再生可能エネルギーを利用した町づくり●温泉から電力を温泉という地域固有の熱資源を活かし、宮城県大崎市鳴子温泉地区で、源泉からの温泉水と熱媒体との熱交換で発動機の駆動力とするバイナリー発電の実証実験が行われています。高温の源泉の熱、蒸気、水流といった多様なエネルギー源を利用して発電を行い、エネルギー拠点を整備しています。バイナリー発電は既存の温泉を利用し、新たに井戸を掘る必要もないため、経済性や環境負荷も小さく、また、様々なエネルギーシステムと組み合わせも可能であり、エネルギー拠点が整備されることにより、再生可能エネルギー創生と情報発信サイトとして地域振興の中心的存在ともなり得ます。図1大崎市鳴子温泉中山平地区において行われているバイナリー発電システムの実証試験の様子●地中からの熱供給再生可能エネルギーでは、太陽光・熱や風力などの有効活用に注目が集まっています。しかし、冬の東北地方は雪が多く、太陽光・熱について、供給の不安定さが指摘されています。宮城県石巻市の高台で安定した熱供給が可能な地中熱を活用した、地中熱ヒートポンプシステムの実証実験を行っています。地中熱利用ヒートポンプシステムは、安定した高効率の熱供給を行うことができるため、維持コストを下げる効果がある反面、熱交換用の井戸を掘削するための導入コストが高いことが挙げられます。そこで、掘削コストの問題を解決するため、太陽熱の高密度・変換形態の一つである「雨水や地下の浅い場所に存在する不圧地下水の流れを活用した自然水活用型地中熱利用ヒートポンプシステム」を開発しています。実験では既に100W/m程度の熱供給を行うことが確認されており、今後継続していく中で、安定かつ、高効率な熱交換井が実現できれば、被災地域の高台での熱供給システムのモデルケースになります。しかし、地域や地層によって特性が違うシステムのため、設計・設置には実地におけるデータ蓄積が必要となります。今後は、住宅の空調のみならず、工場や農業用途など応用範囲が広く、様々な分野への適用も検討しています。地中熱利用ヒートポンプ(暖房時)電気によって、ヒートポンプを稼働します。それにより、地中から熱を取り室内へ供給します。地下GHP(Geothermal heat pump)※室内設置も可屋内機冷房期に蓄熱。暖房期にその熱を利用することも可能(蓄熱)熱交換井(30~40W/mの深さが必要)図2地中熱ヒートポンプシステム(暖房時)42