ブックタイトル東北大学財務レポート2015

概要

東北大学財務レポート2015

TOHOKU UNIV.Financial Report2 015その他東北大学基金東北大学は、企業や団体、同窓生をはじめとする多くの皆様からご協力いただいた「創立100周年記念事業募金」を原資として、平成20年4月に「東北大学基金」を創設し、平成22年度より事業を開始しました。本基金は、全学的な事業を支援する「一般基金」と、使途を特定した「特定基金」で構成され、多くの皆様からのご支援により、学生の留学や課外活動などを力強く支援することができています。本基金は、教育・研究による人類社会への貢献という本学の使命を果たすための大きな支えとなっており、今後一層の拡充を図り、大切に効率良く運用しながら有効に活用させていただきます。東北大学基金の構成一般基金特定基金教育・研究支援国際交流・留学生支援震災復興支援基金学生のための施設整備基金学生支援産学官連携・社会貢献活動青葉山新キャンパス整備基金減災教育研究助成基金基金の主な事業●東北大学基金グローバル萩海外留学奨励賞●東北大学基金課外活動奨励賞●学生団体の企画事業等に対する助成●東北大学元気・前向き奨学金への助成●短期海外研修スタディアブロード奨学金●入学前海外研修～High School Bridging Program～への助成等■グローバル萩海外留学奨励賞■入学前海外研修附属図書館本館リニューアルオープン平成26年10月、附属図書館本館1号館の全面改修が完了し、リニューアルオープンしました。今回の全面改修では、「里見ビジョン」の重点戦略の一つである「グローバルな修学環境の整備」に資するため、学生の自発的学習に利用できるラーニングコモンズ・エリアを拡大し、特に国際化に対応したグローバルフロアを新設しました。また、地下書庫の完全電動書架化により収蔵可能冊数が約190万冊に拡大、開館時【東北大学基金HP】http://www.bureau.tohoku.ac.jp/kikin/japanese/間のさらなる延長に対応し得る施設の整備等を実現するなど、より快適で先進的な教育学習環境を整備いたしました。全館に省エネ対応の空調設備を導入し光熱費のコストダウンも図っています。さらに、本館1階にはカフェや展示コーナー等も新設され、川内地区の「知の拠点」にふさわしい環境を提供しています。■附属図書館本館1号館損益計算書の概要ベクトル型スーパーコンピュータSX-ACEの導入■2015年2月運用開始の「SX-ACE」平成27年2月、大規模化するシミュレーション解析に対応することを目的として、新型ベクトル型スーパーコンピュータ「SX-ACE」（日本電気㈱製）を導入しました。本学で稼働してきたベクトル型スーパーコンピュータは、高いメモリ性能を生かし、萌芽的研究から実用的研究にいたるまで、最先端研究の推進に活用されてきました。今回導入した「SX-ACE」はこれまで運用してきたスパコンの25倍以上の性能を有し、例えば、地震・津波・気候変動シミュレーション解析などの防災・減災に関する研究では、大規模地震発生時の地震情報やGNSS測位技術を活用した地殻変動データから、津波による沿岸都市での浸水被害の予測を地震発生から約20分以内といったリアルタイムで行うことを可能にします。これにより、大規模地震発生時の迅速かつ高精度な広域被害把握と地方自治体の災害対策の強化に貢献します。ハワイに惑星大気観測専用望遠鏡T60観測施設を開所惑星プラズマ・大気研究センターは、平成11年より福島県飯舘村において、国内唯一の惑星大気観測専用60cm望遠鏡（T60）を用いた観測・教育活動を実施してきました。しかし、平成23年3月の東日本大震災に伴う原子力発電所事故により、長時間滞在を要する望遠鏡観測が困難となったため、飯舘村にある望遠鏡をハワイ・ハレアカラ山頂へ移設するプロジェクトを開始いたしました。平成26年9月には、ハワイ大学をはじめ多くの皆様のご支援･ご協力のもと、ハレアカラ山頂において新たなドーム建物と移設した望遠鏡による「惑星大気観測専用望遠鏡T60観測施設」が完成し、ファーストライトデータを取得することができました。また、これを機会に、東北大学とハワイ大学天文学研究施設間で科学協力合意書を締結する運びとなりました。■ハレアカラ山頂に移設された東北大学T60望遠鏡18