ブックタイトル東北大学財務レポート2015

概要

東北大学財務レポート2015

参考情報国立大学法人会計について国立大学法人会計について国立大学法人の主たる業務は教育・研究であり、営利企業とは異なり利益の獲得を目的としていません。そのため、国立大学法人の会計制度は企業会計に準じつつ、業務の特殊性を考慮し、企業会計には見られない特有の会計処理を取り入れたものとなっています。また、国立大学法人の財務諸表は、1国民その他の利害関係者に対し、財政状態及び運営状況に関する説明責任を果たすとともに、その業績評価に資する、2自らの財務状況を把握し、効率的な業務運営に資することを目的とし作成されます。そのため、営利企業のように利益の算定・報告・分配を主目的とするものではなく、国立大学法人がその業務を達成するために必要な財源をどこから調達し、どのような業務活動に投下したか等を適切に報告することに重きを置いたつくりとなっています。以下のページでは、このような国立大学法人の会計の特徴について簡単にご説明いたします。1.主な会計制度との比較区分対象主目的利害関係者会計記帳形式認識基準会計基準・法令国立大学法人会計国立大学法人財政状態、運営状況の開示、業績評価のための情報国民その他の利害関係者複式簿記発生主義現金の収支にかかわらず、財産価値の減少又は増加を整理計算する方式国立大学法人会計基準企業会計営利企業財政状態、経営成績の開示株主、投資家、債権者等複式簿記発生主義現金の収支にかかわらず、財産価値の減少又は増加を整理計算する方式企業会計原則官庁会計国や地方公共団体予算と執行状況の開示国民、住民単式簿記現金主義現金の収入及び現金の支出の時をとらえて整理計算する方式財政法、会計法、予算決算及び会計令（注）主な特徴は上記のとおりですが、国立大学法人では、財源を確保してその適正配分により成果を上げる教育研究部門と、自らの活動により収益を獲得して財源とする附属病院部門の2つの要素が財務諸表に混在しており、官庁会計や企業会計に比して複雑になっています。2.国立大学法人の財務諸表等国立大学法人会計について東北大学財務レポート?貸借対照表決算日におけるすべての資産、負債、純資産（資本）を記載することにより、財政状態を明らかにする計算書です。負債、純資産の部が「資金をどこからどれだけ調達したか」、資産の部が「それをどのような形で運用しているか」を表しています。運用形態【資産】・土地・建物・機械装置・現預金・有価証券・未収金…etc貸借対照表【負債】・運営費交付金債務・資産見返負債・借入金・未払金…etc【純資産】・政府出資金・資本剰余金・利益剰余金調達源泉?損益計算書当該年度に実施した事業等により発生したすべての費用と収益を記載することにより、運営状況を明らかにする計算書です。費用は教育、研究等のどの業務へどれだけコストを投下したか、収益はその業務の実施財源を表しています。使命の達成度国立大学法人の損益計算書の考え方●国立大学の使命を達成するためにコストを投下し業務を実施●どのように使ったか？費用と使命達成度を比較して業務を評価利益は、効率化努力の結果等は含まれますが、大学の業績そのものを表すものではありません費用利益費用の発生に対応して、業務の実施財源を収益として認識。（原則、損益均衡）●業務の実施財源は何か？収益201547