ブックタイトル東北大学財務レポート2015
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東北大学財務レポート2015
参考情報国立大学法人会計について3.国立大学法人特有の会計処理前述のように、国立大学法人の会計制度は、企業会計方式を基本としていますが、国立大学法人の特性を踏まえて、企業会計とは異なる特有の会計処理を取り入れたものとなっています。◆国立大学法人会計基準の特徴国立大学法人の主な特性特徴的な会計処理1公共的な性格から、利益の獲得が目的ではなく、独立採算を前提とせず、国からの財源措置があります。●損益均衡国立大学法人は利益の獲得を目的としていないことから、国立大学法人会計は予定された財源で行うべき業務を行えば損益が均衡する会計制度となっています。そのため、収益の認識方法や固定資産の減価償却時に見合いの収益(資産見返負債戻入)を計上する処理など、企業会計にはない仕組みがあります。ただし、大学附属病院は民間企業と同様に自らの活動により収益を獲得し、業務の実施財源とすることから、民間企業と同様の会計処理によるなど、業務実施財源により会計処理が異なります。2建物整備は国が決定し予算措置される等、大学単独の判断で意思決定が完結しない場合があります。3利益配当の獲得を目的として出資する資本主を制度上予定せず、利益が配当されることはありません。?●収益の認識(負債計上後に収益化)運営費交付金や授業料等の収入は、受領時にただちに収益として計上せず、一旦、負債として計上し、教育研究等の業務実施後、収益として認識されます。これは資金の受領により大学は当期における教育研究等を行わなければならない義務を負うとの考えによるもので、その実施により義務が履行され、収益として認識することとなります。●損益外減価償却国立大学法人の基盤的施設の更新は各国立大学法人からの要求を受け、国が一定の基準により施設費として措置する仕組みとされています。そのため、国立大学法人の意思決定の範囲外となることから、そのコストを運営状況に反映させることは適切ではないとの考え方に基づき、減価償却費は損益計算書の費用としては認識せず、損益外減価償却累計額として貸借対照表の資本剰余金の減として取り扱われます。この他にも、国立大学法人化にあたり国から承継された職員の退職金は国が運営費交付金で措置するため引当金の計上を要しないなど、国立大学法人の意思決定範囲内か否かによって、企業会計と異なる処理が行われるものがあります。●利益処分剰余金は、国立大学法人の経営努力によるものであると文部科学大臣により承認されたもののみが、目的積立金として、翌年度以降、中期計画に定めた事業の用に供することが可能となります。利益配当の獲得を目的として出資する資本主は制度上想定されていないため、民間企業における利益配当のようなものはありません。(参考)国立大学法人の収入国立大学法人会計について東北大学財務レポート国学生、企業等業務実施のための経済資源の外部からの負託運営費交付金施設整備費補助金補助金等学生納付金寄附金受託研究等国立大学法人病院収入雑収入等自らの活動による収益の獲得患者等2015損益均衡の会計処理損益均衡の会計処理の適用外49