ブックタイトル東北大学財務レポート2015
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東北大学財務レポート2015
TOHOKU UNIV.Financial Report2 015◆収益の認識について国立大学法人会計では、業務の実施財源により収益の認識方法が異なり、企業会計にはない会計処理が行われるものがあります。◎受領時に負債計上した後、収益を認識するもの【財源】運営費交付金、授業料、施設整備費、外部資金(科学研究費補助金以外)運営費交付金や授業料等は、外部から負託された財源を使用し教育研究等の業務が実施された後に収益を計上します。この負債の計上は、資金の受領により国立大学法人は当期における教育研究を行わなければならない義務を負うとの考えによるもので、教育研究等の実施によりその義務が履行され、収益として認識されることとなります。収益化イメージ貸借対照表損益計算書1事業実施前(受領時)現金100運営費交付金債務100運営費の受領だけでは収益とは認識しません2事業年度内60のコストをかけて業務を実施国立大学法人が業務実施の義務を負ったことを表します貸借対照表損益計算書3事業実施後現金40業務未実施分は、負債として繰り越し、業務実施年度の費用見合いの収益となります運営費交付金債務業務未実施分○○費60では、どのように業務の実施を判断し、収益として認識する額を決定するのでしょうか?→収益化には3つの基準があります運営費交付金収益業務実施分収益化の基準収益化処理には3つの基準があり、当該業務に適用される収益化基準により収益化額が異なります。上記のイメージの事例により、各収益化基準の処理をご説明いたします。基準収益認識の考え方会計処理期間進行基準時の経過に伴い業務が実施されたとみなし収益化します損益計算書【対象財源】運営費交付金(原則)授業料運営費交付金や授業料により実施される教育研究業務は、その進捗度合いが測りがたいことから、一定の期間の経過を業務の進行と見なし、予定された年間の事業が行われたことをもって収益化します。予定された財源で行うべき業務を行えば損益は均衡し、費用が削減された場合は利益が発生します。○○費60運営費交付金収益100利益40費用を削減すれば利益が発生計画通り100の費用で実施すれば損益均衡業務達成基準業務の達成度に応じて収益化します損益計算書【対象財源】運営費交付金(プロジェクト事業等)運営費交付金の収益化は期間進行基準が原則ですが、プロジェクト事業など、一定の業務と運営費交付金との対応が明らかで、達成度の測定が可能なものはこの基準により収益化されます。○○費60利益20運営費交付金収益80達成度80%の場合成果に対し費用を削減すれば利益が発生費用進行基準【対象財源】運営費交付金(退職手当等の特定の支払いのため措置されたもの)、寄附金、受託研究、補助金、施設整備費業務のための費用発生をもって業務実施とみなし収益化します退職手当等、特定の支払いのため交付される運営費交付金はこの基準により収益化されます。また、特定の使途のために寄附された寄附金等、各種外部資金にもこの基準が適用されます。費用と収益が同額となるため、この基準による収益化に伴う利益は発生しません。○○費60損益計算書運営費交付金収益60この基準では利益は発生しません国立大学法人会計について◎企業会計と同様に、発生時に収益を認識するもの【財源】病院収入、外部資金の間接経費、その他の自己収入附属病院収益は、診療行為を行った際に収益を認識します。これは企業会計と同様の会計処理で、その他の自己収入等についても同様の処理となります。現金20貸借対照表利益20診療経費80利益20損益計算書病院収益100※費用収益には、負債計上の後収益化されるもののような相関関係はなく、獲得した収益が投下コストを上回れば利益、下回れば損失となります。50