ブックタイトル東北大学財務レポート2015

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概要

東北大学財務レポート2015

TOHOKU UNIV.Financial Report2 015◆資金の裏付けのない帳簿上の利益について前述のとおり、病院収入などは対価を伴う業務による収入であることから、民間企業と同様の会計処理となります。国立大学法人特有の損益均衡の会計処理は行われず、診療等の実施による収益はそのまま各年度の収益となります。そのため、病院収入等により資産を取得した場合には、支出年度と費用計上年度が異なるため、以下のように資金の裏付けのない帳簿上の利益や損失が発生します。このように、国立大学法人の利益には、運営努力の結果生じる資金の裏付けのある利益と、会計処理の仕組み上発生する資金の裏付けのない帳簿上の利益があります。◎資産の取得に充てられた病院収入と減価償却費の差から生じる利益・損失前項3のとおり、減価償却費に対応する収益を各年度ごとに計上する処理はありません。下記は獲得した病院収益を資産取得に充当した場合のイメージです。初年度に利益が発生していますが、取得時に支出されているため現金の残余は無く、利益は資金の裏付けのない帳簿上の利益となります。また、2年目以降の損失も同様に資金の裏付けのない帳簿上の損失となります。【例】300の病院収入で機械備品を購入、3年間使用した場合取得時点1年目2年目3年目使用期間累計機械備品300取得減価償却減価償却額▲100減価償却額▲100減価償却額▲100使用期間にわたり各年度の費用として配分(減価償却費は現金支出を伴わない費用です)現金△300収益300損益計算書費用100利益200収益300損益計算書費用100損失100損益計算書費用100損失100費用300収益300(参考)収入支出支出300収入300支出300収入300資金収支無し資金収支無し支出300収入300資金残高は無いが利益発生資金流出は無いが損失発生※簡略化のため、固定資産取得に充てられる病院収入以外の収益を省略しています資金流出は無いが損失発生損益、収支ともにバランス◎借入金の償還期間と減価償却期間の差から生じる利益・損失(償還差益)附属病院の診療施設等は、借入金により整備が行われる場合もあります。借入は病院収入により返済しますので、病院収益の一部が、各年度の返済に充てられることになります。一方、建物等の固定資産を取得した場合、減価償却費が発生しますが、借入金の返済期間と、建物等の減価償却費の配分期間が異なることから、各年度の損益に差額が生じます。これらもまた、資金の裏付けのない帳簿上の利益・損失となります。【例】50億円を借り入れし、病棟を建設した場合償還期間:20年年2.5億円(均等返済)減価償却:50年年1億円(毎年定額)区分1?20年21?50年累計収益(返済充当の病院収益)費用(減価償却費)2.5億円0円50億円1億円1億円50億円(左記のイメージ)取得時点建物50億借入金50億償却・返済開始1~20年減価償却費1億円収益2.5億円21~50年減価償却費1億円国立大学法人会計について損益+1.5億円▲1億円±0円損益±0円損益+1.5億円損益▲1億円資金の裏付けのない利益資金の裏付けのない損失52