ブックタイトル第3回 国連防災世界会議を終えて ~東北大学の取り組み~
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第3回 国連防災世界会議を終えて ~東北大学の取り組み~
第3回国連防災世界会議を終えて~東北大学の取り組み~おわりに第3回国連防災世界会議での『学』の役割と今後の貢献本世界会議では被災地域での総合大学として東北大学は一連の会場提供だけではなく、会議を通じた研究成果の発信と国際社会への貢献を目指して戦略的な企画を検討し取組みを行ってきました。その出発点が東日本大震災であり、発生直後から復旧活動を支援する中で、今回の経験と教訓を国内外に伝えることの重要性について仙台市などと協議を重ね、2015年第3回国連防災世界会議を誘致するため、全面的に協力・支援することに合意いたしました。会議の誘致や広報活動においては、ジュネーブやニューヨークも含めた国内外の関係者へ出向き、被災地である東北および仙台で復旧・復興の過程を直に見ていただきながら防災会議を開催する意義を訴えました。防災・減災に関する国際的な政策へ、如何に学術が役割を担えるかが焦点として考えました。そこでは、学術を通じた新しい知見や知識の発信が重要であり、また過去の被害実態やリスクの理解と現在の防災・減災力の評価の上で、適切な政策を提案し実践すべきであると考えております。そこで、東北大学「知のフォーラム」と協力し、災害科学と国際政策をテーマにワークショップやシンポジウムなどの企画を立て、学術への期待と役割について議論しました。さらに、災害統計について国連機関と連携しながらワークショップを実施し、データ等の重要性と整備方針などについて認識を共有化していきました。また、「兵庫行動枠組」についても東日本大震災を通じたレビューを行い、その結果を日本語と英語のレポートを出版し準備会合などでの議論をリードするとともに、このレポートを活用し市民への啓発活動なども実施いたしました。このような事前の活動が「仙台行動枠組」や「仙台宣言」などの会議の成功に貢献できたものと考えております。2015年は、国際的な開発と気候変動に関するグローバルな重要問題について合意を目指す国際会議が予定されており、仙台会議はその皮切りとなるものでした。本年9月にはニューヨークで新たな開発アジェンダを採択し、12月パリ会議で気候変動に関する有意義な拘束力のある合意が作り上げられる予定です。気候変動やその他の様々な要因により、世界の人々が災害リスクに晒される機会は近年急速に拡大しており、かつてない課題を世界につきつけています。今回採択された「仙台行動枠組」は、世界の各国が2030年までの防災や減災対策を進めるうえで新たな指針となるものであり、東北大学は産学官民の連携を強め、以下の優先行動を含めた指針に従って減災していく活動を牽引していかなければならないと思っております。(1)災害のリスクを減らすとともに災害が発生しても社会や経済が素早く回復できる「強じん性」を高める中で、災害のリスクを理解すること、(2)政府や地方自治体の災害への対応能力を強めること、(3)事前の防災対策を強化すること、そして(4)復興に向けては災害に強いまちや社会を目指す「よりよい復興」を進めることになります。ここでの『学』の役割は大きく、期待に応えていきたいと決意を新たにしております。本会議開催にあたり、ご支援・ご協力を頂いた皆様,関係機関の皆様に改めて深く感謝を申し上げます。また、今後の活動への理解の上、ご協力・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。第3回国連防災世界会議を終えて~東北大学の取り組み~2015年10月発行東北大学災害科学国際研究所長今村文彦発行編著国立大学法人東北大学国立大学法人東北大学〒980-8577宮城県仙台市青葉区片平二丁目1-1総務企画部広報課社会連携推進室Tel 022-217-5132 Fax 022-217-4818E-mail social@grp.tohoku.ac.jphttp://www.tohoku.ac.jpc2015 Tohoku Univiersity,Published in Japan●このパンフレットに記載されている組織名、登壇者の職名・肩書き等は2015年10月現在の内容です。また、これらの一部を省略したり略称を用いている箇所がありますので、ご了承ください。●このパンフレットの無断複写・複製(コピーなど)は著作権法上の例外を除き禁じられています。第三者による電子データ化及び電子書籍化は、私的使用を含め一切認められておりません。●このパンフレットに記載されている内容に関するお問い合わせは、各催事情報内の「問合せ」に明記されている宛先へ直接お問い合わせ願います。その他の件につきましては東北大学総務企画部広報課社会連携推進室までお問い合わせください。82