ブックタイトルまなびの杜 2016年夏号 No.76

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概要

まなびの杜 2016年夏号 No.76

被災地を離れることになった方からの電話相談も寄せられています。が一五八六人ち(震災遺児)した子どもたずれかをなく三人、両親のい災孤児)が二五子どもたち(震親をなくした二〇一年三月の東日本大震災では、両成震り災立子ちども支援室(S―チル)の震災で親をなくした子どもたちへの支援―東北大学震災子ども支援室(S─チル)の取り組み―加藤道代◎文text by Michiyo Kato地域と大学した。かったので有難かった」という感想を頂きまり!」「どうやって教えればよいかわからな話をした。そんなことははじめてで、びっく保護者からは、「帰ってきて一番に勉強のます。のレクリエーションも大学生と一緒に楽しみ各々のペースで集中して勉強に向かい、合間教えるという取り組みです。子どもたちは部・教育学研究科の学生が一対一で勉強を生から高校生までの子どもたちに、教育学児・孤児対象)を行っています。これは小学しなが育英会との連携で学習支援(震災遺や面接相談のほか、夏休みと冬休みには、あ子ども対象の電話相談(フリーダイヤル)子ども支援めざして活動しています。大人?と広くとらえ、多様で柔軟な支援をのをなくした子どもと、子どもをとりまくがらも、支援対象を〝震災で大事な人やもチルは、震災遺児・孤児支援を優先としな室(S─チル)」を立ち上げました。以来、S─九月に「震災子ども支援を原資として、二〇一年金の申し出を受け、これ目的とした十年間の寄付ら震災遺児・孤児支援を学研究科は、ある個人か東北大学大学院教育りより)。十一月自治体への聞き取を数えます(二〇一五年ンセラー、児童青年精神科医、小児科医、矯は、これまで、教師、養護教諭、スクールカウS─チルが毎年開催するシンポジウムで調査活動・講演シンポジウムなどを開いています。場として、里親サロンや遺児家庭交流サロンい気持ちを語り、子育ての迷いを相談する談や面接相談の他、保護者が普段は出せなそこで、S─チルは、保護者対象の電話相も安心出来ることになるでしょう。少しでも楽になれば、それは子どもにとってないと思っています。もし、大人の気持ちがをよく感じていて、大人を心配させてはいけもは子どもなりに、そうした大人の大変さ見せないように抑えがちです。そして、子ど方で、自分自身の苦しさや疲れは子どもに頑張ることを張り合いや使命感と感じる一ん。しかし、震災後の大人は、子どものために支えてもらえるほど大きな安心はありませ多くの子どもたちにとって、身近な大人に(子保ど護も者た支ち援をまもる大人を支える◆Sーチルとは/三月(さんがつ)の震災後(しんさい)ご)の相談(そうだん)のSから始まり、子どもたちの健やか(すこやか)な成長(せいちょう)と幸せ(しあわせ)を支える(ささえる)のS。チルはチルドレンです。加藤道代(かとうみちよ)1956年生まれ現職/東北大学大学院教育学研究科教授震災子ども支援室長専門/社会心理学(発達心理学)社会心理学(臨床心理学)S‐チルフリーダイヤル/0120-37-6241(月~金9時~17時)ホームページ/http://www.sed.tohoku.ac.jp/?s-children/フェイスブック/https://www.facebook.com/s.children.sed.tohoku/を続けていきたいと思っています。意識しながら、S─チルは今後も長期的に活動けて変容しています。そうした時間の流れをる問題も変化します。被災地域も復興に向また、子どもの成長に伴って保護者が抱えに留めておかなければなりません。出には時差や個人差があるということを、心ることもあります。私たちは、被災体験の表によってようやく問題を表出できるようにな遂げていくこともありますが、成長することた。子どもたちは、成長しながら心の回復を入学し、中学校一年生は高校を卒業しましこの春、震災当時の小学校一年生は中学に時間の流れを意識した支援援者や団体と共有しています。る保護者の状況や問題について、多くの支た質問紙調査などを実施し、そこから見え部保健事務所管内の遺児家庭を対象とした親族里親の方々への面接調査、宮城県東また、両親をなくした子どもを引き取っを学ぶ機会を提供してきました。家をお呼びして、震災後の子どもたちの姿談員など、子どもにかかわる多方面の専門正歯科医、弁護士、学習塾、いのちの電話相02|まなびの杜76号